【介護】BPSDとは

認知症になった人を介護するにあたって、どうしても避けられないのがBPSDです。これがあると無いとでは介護負担が全然違います‼

なぜBPSDが起きるのか、どう対応すれば落ち着くのかを経験から皆様に伝えていきます。

今回はそんなBPSDを誰でも分かりやすい様に解説していきます。

①BPSDって何?

BPSDとは「認知症に伴う行動・心理症状」で英語表記での単語の頭文字を取ったものになります(Behavioral and Psychological of Dementia)。

介護現場ではよく徘徊や暴力が出ている時に「あの人BPSDが出てる」という様な使い方がされていると思います。

BPSDは以下の症状が一括りにされています。

①行動症状:徘徊や攻撃的行為のように、行動として現れる症状
②妄想や抑うつなどのように、その人の内にある症状

以前は「問題行動」と言っていましたが、「問題に思えるのは介護側からの視点であって、本人視点での考え方ではない」との事で、「行動・心理症状=BPSD」と呼び方が変わりました。

呼び方が変わっただけなので、内容は全く変わりません。結局介護する側からしてみたら対応が大変な事に変わりはないです。

②BPSDってなぜ起きるの?

BPSDと思われる症状は多種多様に分かれています。徘徊や暴力といったものから、妄想から情緒不安定、不穏になる事もBPSDとされています。

BPSDはその人自身が持っている性格や気質等から出現するのと(内的要因)、環境が変わったり不適切なケア(外的要因)がら出現する事があります。

原因はストレスから来るものが殆どです。

例えば短気な方に「少しお待ちください」と伝えると、「遅ぇんだよ‼」と急に怒鳴り始めたりする事があります。

また引っ越しをして住環境が変わった事で徘徊するようになってしまったという事もあります。

どちらもストレスが原因で出現しているBPSDです。

福祉従事者は「怒鳴るぐらいだったら可愛いもんだよ」と思われる方も多いと思います。

では皆が皆待たせたぐらいで怒るのか、引っ越ししたから徘徊が始まるのかと言ったらそうでは無いです。「いいよ、いいよ」と言って待ってくれる方もいますし、新しい住環境を楽しまれる方もいます。

ですのでその人個人の性格や気質がストレスによりBPSDが出現する事になります。

そのため同じアルツハイマー型認知症と診断されても一人一人ケア方法が違います。

これがまぁ、大変。

こちらは「あなたの事を大事に思っているよ」と良かれと思って行った介護でも、「よけいなお世話だ‼」と怒鳴られたり殴られたりする事も…

なんて理不尽。

③BPSDを落ち着かせたい‼

「BPSDが出現してしまった‼どうすれば良いんだ‼」とお悩みの皆さん、安心して下さい‼

有益なアドバイスがあります。

「へ?解決策ではないの?」と思われた方は正しいのですが、何せ個人によって様々な症状が出ているのでこれと言った解決策はありません。

アドバイスとは、

「ストレスを与えない」だけです。

これだけ?と思われた方も多いと思いますが、実際これが大変です‼

例えば徘徊に行く人を例にすると、外に徘徊に出るという事は本人は「会社に行かなければいけない」と思っているかも知れないし、「家に帰らなきゃいけない」と思っているかも知れません。

一人で外に出すのは危険だと判断したので、必死に止めますがこちらが必死になればなるほど相手も必死になります。見当識が無いが故に「会社に行かなければいけない」、「家に帰らなければいけない」と思っています。徘徊の時点で記憶障害による「ストレス」が本人にはあります。

これを抑えるには一緒に家の近くを歩いたり、本人が家だと思っている場所に連れていくとBPSDが収まるケースがあります。一度外に出て満足感を得て貰うことでBPSDが早期に解消される事もあります。これは認知症の記憶障害を利用した介護方法ですね。

他にも環境が変わる事でストレスを感じるのであれば環境を変えない。施設に入所した時は出来るだけ自室に近い環境にする事でBPSDの出現を抑える事が出来るケースもあります。

どれだけストレスを与えないようにしても出現するのがBPSDです。これは本人は記憶障害により記憶が無くなっていき、自分が自分で無くなっていく感覚ですからいつも大きなストレスを感じているのは間違いないです。

ですので介護者が「もうダメ…」と思う前に薬を使いましょう。

認知症ケアでは薬よりも環境改善や接し方や対応方法を変える事が重視されます。ですが病気は病気。認知症になれば薬が処方されるのですから薬は使いましょう。

介護は介護者も多少楽しないとアカンのです。

④まとめ

BPSDとは「認知症に伴う行動・心理症状」で英語表記での単語の頭文字を取ったものになります(Behavioral and Psychological of Dementia)。

BPSDはその人自身が持っている性格や気質によって出現するので、全員が同じ事でBPSDが起きたりしません。認知症患者の数だけBPSDがあります。

BPSDを出現させないためには「本人が快適に安心して暮らせる環境が必須」です。

必要時には薬もしっかり使いましょう。

「BPSDで困っている」という方がいればアドバイスぐらいは出来ますので、お気軽にコメント下さいね。

ではまた‼

コメント

タイトルとURLをコピーしました