認知症と言えば「アルツハイマー型認知症」ですが、実際どういう状態になるのかを今回は解説します。
教科書的な内容から、実際に過ごすと感じる事まで書きます。
「アルツハイマー型認知症って言われたけど、一般的に聞く内容とは違う状態が見られる。」とお悩みの方もこれを読めば理解出来ると思います。
①アルツハイマー型認知症とは
アルツハイマー型認知症(以下、ADと表記)とは、認知症の種類の一つです。認知症患者の6割~7割はADと診断されますので、「The 認知症」という感じです。認知症について調べると多くはADを解説しています。
内閣府の情報によると「65歳以上の高齢者の内、平成24(2012)年は認知症患者数が462万人(65歳以上の高齢者の7人に1人)であったが、令和7年(2025)年には約700万人(5人に1人)になると見込まれている」だそうです。現在700万人で考えると、420万~490万人がADとなる計算です。
ちなみに余談ですがこれはあくまでも「病院で受診して正確に診断された数」であり、若年性(65歳以下)は含まれていません。ですので認知症患者の潜在的な数はもっと多いと考えらえます。
出典:内閣府ホームページ (https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/gaiyou/s1_2_3.html)
②どんな状態なの?
一言で表すのであれば、「思い出せない物忘れ」だと思います。今まで頭の中にあった「記憶」が無くなっていきます。「記憶」は私達の行動に必要不可欠なものであり、話せたり食べたり出来るのは「記憶」があるからです。その「記憶」が失われる事で話せなくなり食べれなくなります。
例ですが、健常者は昨日何食べたかまでは思い出せないにしても食べたことは覚えていますよね(これ、覚えていなかったら認知症です)。認知症患者は「記憶」が無いので「食べた事を覚えていない=食べていない」という事になります。
ADの特徴としては、下記があります。
②学習・記憶能力の低下が目立つ
③運動能力が低下しにくい
③実際見られる状態とは?
実際一緒に過ごしてみると、やはり「思い出せない物忘れ」を感じます。
よくある「お昼はまだかいのぉ」、「さっき食べたばかりでしょ、おじいちゃん。」の様な会話はした事がありません。
人によって「覚えていられる記憶」と「記憶に留めておけない記憶」は違います。例えば食べた事は覚えていて直近に起きた事を覚えていられるけど、自分の夫・妻の名前が分からなかったり。逆のパターンもあります。
人間誰しも自尊心(プライド)を持っているので、「分からない事が恥ずかしい」という感覚があるのでしょう。よく取り繕う行動もみられます(取り繕い行動)。会話中に一見コミュニケーションが取れているように感じても、こちらが求めている回答ではなかったり。幅広い質問だと適当にごまかすような行動が見られます(休日は何をしていますかという質問だと答えれなかったり)。
人によっては取り繕っているから認知症患者に見えなかったります。
「適当な事を言う」、「外面だけはいい」という事でイライラした経験がある人もいるのではないでしょうか。
また、「ADと診断されたからと言ってADの特徴のみ出るわけではないです」。他にも認知症の種類としては色々ありますが、それらが混ざった複合型の症状が見られる人がいます。
④まとめ
ADは認知症患者の中で最も多く6割~7割の方が診断されています。
記憶障害があり、我々の行動の源でもある「記憶」が失われていきますので出来ない事が進行とともに増えていきます。
「物忘れ」と違うのは「言ったり説明したりしても出来ない」という事です‼
初めて聞く言語で説明されてもその言語を知らなかったら、何を言っているのか理解出来ないですよね。それと一緒の感覚だと思っています。
ADと診断されてもADのみの特徴が出るとは限らず、他の認知症の特徴が出たりします。
介護を行うときは「その人に合った介護方法」を見つけるのが、大事です‼
ではまた‼
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