以前「4大認知症」について書きました。
①アルツハイマー型認知症(AD)
②前頭側頭型認知症(FTD)
③レビー小体型認知症(DLB)
④脳血管性認知症(VaD)
「軽度認知障害、又は軽度認知機能障害(以下、MCI)」は認知症の前段階の様な状態の事を指します。
今回はMCIについて説明していきます。
①MCIに見られる特徴
認知症の前段階の状態を「MCI=Mild Congnitive Impairment」と呼びます。
MCIには以下の状態が見られます。
②認知機能は正常ではないが認知症の診断基準を満たさない。
③基本的なADLは自立しており、複雑な日常生活機能の障害は軽度にとどまる。
上記は認知機能の有無で判断されていますが、他にも以下の状態が見られたりと複数のタイプに分類されます。
MCIは認知症の前段階の状態なので、診断されてから年間に5~10%、10年間で80%がアルツハイマー型認知症に進展すると考えられています。
②MCIから回復するの?
私は認知症対応型通所介護と呼ばれる、「所謂デイサービス」で働いています。
そこでは「何かしらの認知症と診断されており、要支援又は要介護と認定された方」がご利用して頂いています。
その為、実はMCIの方とお会いした事がありません。
MCIの方は軽度な為、生活のしづらさはあるものの介護を必要とする段階では無いからです。
上記に「アルツハイマー型認知症に進展する」と記入しましたが、必ずしもそうでは無いようです。
MCIについて調べてみると、調査フィールドによって違いがある事が判明しました。
②進展率に差がある。
③5年以上の追跡例の約40%が健常に回復している。
他にも診断基準として「DSM-5」と呼ばれる診断が作成されました。
このようにMCIの基準の多様化や調査フィールドの違い等とも関連して下記の内容に大きな幅が生まれました。
②罹患率
③認知症への進展率
④回復率
こうした事情を前提として出た結果によると、下記内容が妥当な数値だという見方になっています。
②罹患率は20~50人/1,000人/年
③認知症への進展率は5~15%/年
④回復率は16~41%/年
③まとめ
「軽度認知障害、又は軽度認知機能障害(MCI)」は認知症の前段階の様な状態の事を指します。
ADに進展すると考えられていますが、他の認知症に進展する可能性があると現在では考えられています。
調査フィールドによって結果に差がありますが、現在では健常に回復している方もいるという見方があります。
現在、日本の認知症施策では「予防、又は認知症であっても進行を緩やかにする」というのがテーマです(大雑把な説明ですが…)。
予防には人とのコミュニケーションが大事な事の一つとされています。
認知症の診断を受けて主治医から「ストレスが溜まるから仕事を辞めた方がいい」と言われ、自宅に引きこもってしまった人を私は知っています。
その方は進行が早かったです。
突然社会との関係を希薄にするのでは無く、「仕事に行けるなら、仕事をする」というように、出来る範囲で社会との関係を継続する。
それが最も効果のある「予防対策、又はリハビリ」だと私は思っています。
コメント頂けると嬉しいです。
ではまた‼
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