今回は介護は儲からないという話をしていきます。
実際しっかりと儲けているやり手の経営者は沢山います。
それでも尚、「介護は儲からない」となぜ言えるのか。
それは介護保険の仕組みにあるからです。
介護職員の給与が低いのも、全ては介護保険制度の仕組みにあります。
デイサービス(以下、DS)を例にどのように利益が出ているのかを簡単に説明していきます。
①介護保険って何?
介護保険とは、2000年から始まった制度です。
40歳以上の方だと給与から「介護保険料」として天引きされているのが、分かるはずです。
介護保険自体はまだ20年以上しか経っていない、比較的新しい制度です。
介護保険を使った場合、利用者は1~3割の実費を払います。
1~3割支払うのは収入によって異なります。
年金や他に収入があり、現役世代並みに収入がある人は3割。
反対に収入が少ない人は1割負担です。
残りは国が介護サービスを提供した側に支払います。
ですので事業者は、【「利用者からの1~3割」+「国からの9~7割」=100%】で収入を得ます。
介護保険は単位で計算されます。
支給された単位の中で抑えれば、1~3割負担で済みます。
オーバーするとオーバーした分実費(=10割)負担となります。
例として要介護1だと10,000単位支給されるとします。
(10,000単位は仮の数字です。)
10,000単位の中であれば、1~3割の支払いです。
10,001単位で1単位で超えるとそこから実費となります。
【「10,000単位分の1~3割分」+「10,000単位を超えたオーバー分の10割負担」=支払う金額】となります。
こうして介護保険を使う皆さんはケアマネジャーと相談して、限度額を超えないように計算しながら毎月のサービスを決めていくのです。
②利用者が増えても儲からない仕組み
事業所には定員数というのが決まっています。
定員数をオーバーすると一人の利用者さんから得られる利益が70%になります。
厳密にまとめると、
「一日だけ定員数オーバーしちゃったよ‼」となっても、月の平均利用者数が定員数が上回っていなければ、大丈夫だと思います。
でも定員数ギリギリの人材配置をしている事業所が多数なので、あえてリスクが大きくなるような事はしないと思います。
その為定員数を上回る運営はあまりしないというのが事業所の基本です。
そして「定員数が決まっている=利益の天井が見える」という事です。
例として毎日定員数まで利用してもらって月100万の利益が出るとします。
※実際はもっと多いです。
100万の中で人件費、光熱費、維持費等を支払っていかねばなりません。
ですので貰える給料も寂しいものになるのです。
「多くの人が利用したら儲かる」という制度ではないので、普通に運営していたら儲かりません。
しかも多くの人が利用したら利益が減ります。
安全性や質の維持の為の処置だと思いますが、こちとら毎日大変な思いをして仕事をしてます。
苦労に見合わない給料だなぁと思います…
③まとめ
介護は儲かりません。
しかも大変な仕事というのは何となく皆さんのイメージにあるので、慢性人手不足です。
これから団塊世代が高齢者世代に入り、益々介護・福祉のニーズが高まります。
しかし介護報酬の悪改定で事業所が潰れたりしています。
こんなんまともに働けるかっての‼
せめて給与が高い等の何かしらのメリットが無いと、福祉業界で働く人材は消えていくよ‼
これから先、増える高齢者に対して支えていけるんですかねぇ…
コメント頂けると嬉しいです。
ではまた‼
コメント