認知症の人のケアは大事ですが、それと同じぐらいそのご家族に対する支援も重要です。
特に「介護が初めて」というご家族にとっては、全てが初めてで色々考えていかなければなりません。
でも心が追い付いてない状態で何も出来ない・考えられないというご家族も多いと思います。
先ず大事にしたいのが、家族の心理状態の把握です。
色々情報を提供しても話を聞ける余裕が無ければ、返って負担になってしまうでしょう。
また、相手の話を傾聴して共感する事が大事です。
家族が認知症の診断を受け、どのように受け入れていくのかを解説していきたいと思います。
①家族が受け入れていく段階
家族が認知症の診断を受け入れていく段階をフロイトの対象喪失(悲哀の作業)に適用すると次の段階に考えられます。
※フロイト:ジークムント・フロイト(1856年5月6日~1939年9月23日)、オーストラリアの心理学者、精神科医。
喪失を体験するケースとしては一般的には愛する人の「死」等があげられます。
徐々に変化していく認知症も喪失の一つとして考える事が出来ます。
愛する人の「死」であれば、上記の表のように驚愕から始まり過程を得て再起と時間を掛けて繋がります。
「死」に適応し、再起に繋がる流れは一度だけです。
しかし認知症の場合はそうはいきません。
家族の心理は感情を行ったり戻ったりします。
認知症の場合、新しく症状が出てきます。
家族は初め驚きを隠せず、それでも時間を掛けて何とか対応します。
ようやく現在の生活に適応したと思いきや、また新たな症状が出て…
と、また驚愕から始まると言った具合です。
その為常に愛する人の変貌を喪失していく体験を繰り返していきます。
その為福祉関係者は家族の心理用状態を把握し、その時の心理状態に合わせてアドバイスを行ったり、傾聴する必要があります。
②傾聴とは
傾聴とは、相手の話を耳だけでなく相手に寄り添いながら心と身体を使って聴く事です。
傾聴とカウンセリングは正確には違います。
ですがカウンセリングには3つの条件が必要であると考えられています。
②受容
③自己一致
①共感的理解…相手の主観的な考え方、感じ方をその人の立場になって感じ、考え理解する事
②受容…相手の感情を受け入れる事
③自己一致…聞き手が相手の話を聞きながら感じる自分自身の感情や価値観を否定せず、また隠したり必要以上によく見せようとしたりせずにありのままの人間としていられる事
③まとめ
認知症のケアは大事ですが、それと同じぐらい家族のケアも大事という話をしました。
認知症と診断された家族の心理状態は「フロイトの対象喪失」で説明が出来ます。
愛する人の「死」とは違い、認知症は新しい症状が出てきます。
現在の状況に適用出来たとしても、新しい症状が出てその度に喪失を経験する事となります。
家族の状況によってはアドバイスをする事が効果的ですが、必要に応じて傾聴し相手を理解する事だけが重要な時もあります。
家族も本人と同じように苦しんでいます。
認知症の人がフォーカスされる傾向にありますが、家族支援も当事者同様に支援が必要としている人が多いです。
コメント頂けたら嬉しいです。
ではまた‼
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