【認知症】若年性認知症とは

認知症

若年性認知症とは65歳未満で発症する認知症の総称です。

若年性認知症との関りは高齢者の認知症との関りとは別で、非常に困難なケースが多いです。

社会的立場の変化や経済的な不安によって、常にストレスを感じるので進行が速い様にも感じます。

また「うつ病」と間違われる事も多く、早期発見が難しくもあります。

本人との関りも難しいですが、社会的な支援を受けづらい若年性認知症について解説していきます。

①若年性認知症とは

若年性認知症とは65歳未満で発症する認知症の総称です。

2017年~2019年に実施された調査において若年性認知症の有病率は、「18歳~64歳人口10万人に当たり50.9人」

若年性認知症の有病者数は3.57万人と推定されています。

原因疾患別割合は以下の通りです。

①アルツハイマー型認知症:67.6%
②血管性認知症:19.5%
③レビー小体型認知症:4.3%
④前頭側頭型認知症:1.0%
⑤その他:7.6%

※「認知症施策の総合的な推進について」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000519620.pdf)を加工して作成。

高齢者に比べて自尊心の高さが特徴で、病識が無い方も多く見られるような気がします。

これに関しては「まさか自分がこの若さで」という認められない事が原因の一つとしてあると考えています。

また高齢者の認知症患者に比べると進行も早く感じます

これには「記憶が失われていく恐怖」に加え、「これから先どうしよう」といった先が決して明るくないという不安感が強いからだと考えます。

②進行が早いと言われる理由

ストレスが高齢者の認知症患者に比べて、多大であると私は考えています。

原因は3つ。

①経済的問題
②情報が少ない
③使える制度が分からない

【①経済的問題】

経済的問題ですが、約6割の人は発症時には就労しています。

6割以上の方が「収入減」を体験し、4割が「家計が苦しい」と感じています。

世帯の主な収入源は「家族の収入」または「障害年金」が多く、家族の困りごとの第1位は「将来の経済的不安」だそうです。

若い時にはまさか自分が認知症になるなんて、考えるは中々難しいと思います。

そこまで考えないでローンを組んだりする人が大半でしょう。

ローンはあるし、子育てでまだまだお金が掛かる。

そんな中で経済的に不安を感じないというのは無理なものでしょう。

【②情報が少ない&③使える制度が分からない】

まだまだ若年性認知症に関する情報は少ないと思います。

例として傷病手当や障害年金を受給できますが、それに対し知識がある人が少ない現状もあります。

他にも若年性認知症になったからすぐに介護保険サービスを使うのかと言ったら、そうではありません。

会社によっては働ける限界まで働かせてくれる理解ある会社もあるでしょうし、介護保険サービスの前に障害サービスを使う事だって出来ます。

以前の生活通りとはいきませんが、知識があれば出来るだけ本人の希望通りに不安を少なく過ごす事だって可能だと思います。

介護保険サービスには若年性認知症に向けたサービスが少ないのは現実です。

要介護認定未申請者は約3割であり、未申請の理由としては以下の理由があります。

①必要を感じ無い
②サービスを知らない
③利用したいサービスがない
④高齢者が多いサービスに行きたくない
⑤社会参加の場が少なく社会との繋がりが薄い
⑥若年性認知症者のニーズにあった介護保険サービスが不足している
⑦障害福祉サービスでも若年性認知症の人の利用が断られる

若年性認知症者が安心して暮らせる環境を作っていくのが、課題ですね。

③政策的課題

政策的課題として提起されているのは下記の部分です。

①診断へのアクセシビリティの確保
②認知症疾患医療センターにおける質の高い診断と診断後支援
③職域と保険福祉分野との連携による就労継続支援
④診断直後からの経済状況のアセスメントと社会保障制度の利用支援
⑤制度横断的な専門職の人材育成
⑥ニーズに合ったサービスの開発と普及
⑦家族会等のインフォーマルサポートやピアサポートの普及

※アクセシビリティ…利用のしやすさ、便利であること

※インフォーマルサポート…自治体や専門機関など、公式な制度に基づき提供される支援とは違い、家族、親族や友人、地域住民、NPO法人やボランティアなどによる非公式な支援のことで、インフォーマルサービスともいう。

※ピアサポート…共通項と対等性をもつ人同士(ピア)の支え合いを表す言葉。

④まとめ

若年性認知症とは65歳未満で発症する認知症の総称です。

若年性認知症の有病者数は3.57万人と推定されています。

進行の早さは高齢者の認知症患者に比べて早いと感じます。

理由としてはストレスが高齢者が感じるそれとは大きくあるからだと思っています。

ケアが行き届いていない若年性認知症患者に対し、国も政策的課題として問題を提起しています。

一緒に過ごして感じる事は若年性認知症患者にとって住みづらい環境だという事。

政策が整っていなければ、介護保険サービスを使ったとしても行く場所が無い、又は行きたいと思える場所が無い。

自分がもし65歳未満で認知症になった時に、使いたいサービスがあるかと聞かれたら答えはノーです。

自分の両親と、下手すれば祖父・祖母と同じ環境で過ごすなんて話は合わないし、面白くもないですよね。

ただ若年性認知症の方をターゲットにした介護保険サービスが出来たとしてもニッチなサービスになると思うので、経営的に利益が出すのは難しそうですよね。

課題は山積みです。

ではまた‼

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