仕事柄ご家族に介護・支援方法についてアドバイスをする事があります。
でも一つ声を大にして言わせて欲しい。
アドバイスを聞いて‼・・・ね⁉
相手「こんな事で困っている‼」
サル「それは大変ですね。すぐに効果が出るか分からないですけど、この様にしてみたらどうでしょうか。」
数日後…
相手「だからこんな事で困っている‼」
…知らんがな‼
お願いだからアドバイスをした事を少しでも聞いて‼
その上で意見なり文句を言って‼
…という事案が多々発生しています。
頼むから「アドバイスを聞いて‼」というお話。
①アドバイスを聞く余裕が無い
そもそもアドバイスを求める人って結構介護が大変な人だと思います。
初期の頃はケアマネジャー(以下、CM)等に相談して、解決出来る事が多いと思います(介護サービスの導入等)。
認知症においては精神面でのケアが必要になってくる事が多いです。
精神面のケアだと「介護サービスが~」というよりは、どれだけ本人が「安心・満足出来る生活を送れるか」という事が大事になります。
そうすると必然的に本人と「上手な付き合い方」を求められます。
そのためその段階に直面した時に、使用しているデイサービス(以下、DS)の生活相談員に相談されます。
月一回の訪問のCMより、一週間に数回会うDSの生活相談員の方が相談しやすいですものね。
でも相談される段階の時には介護者のメンタルもかなり疲弊していて、アドバイスを聞く余裕が無くなっています。
仮にアドバイスを聞いても実行に移す時間的・体力的な余裕が無いというのもあると思います。
余裕が無いのは分かります…‼
大変だものね…
でもね、アドバイスは聞いて‼
私はあなたの生活が少しでも楽になるようにアドバイスをしているのだから。
「効果が無い‼」「やっても無意味」というのはせめて一度でも試してみてから言ってよね‼
…という話。
②自分の介護・支援が絶対のものと思っている
「正直、DSで他の人と一緒に過ごせないでしょ⁉」というレベルの人はどのDSにも必ず一人はいると思います。
そういう方のご家族って自分の介護・支援が絶対的に正しいと思っている人が多いなぁと感じます。
勿論付き合いは当然我々より長いし、その人の事を知っているのはご家族が一番だと思います。
それはそれで良いんですけど、私たちはその本人以外にも他のご家族から大切な人をお預かりしている訳です。
その方だけ特別手厚いサービスを行う訳にはいきません(結局手厚い介護は必要になりますが)。
そういう場合はアドバイスというか、相談させてもらいますが何も変わらない事が多いですね。
新参者に何を言われても「何が分かるんだ‼」という気持ちになるのは分かりますよ、その気持ち。
長い生活の中で我々の知らない本人の事を知っているのは、ご家族だけですし…
でもね、アドバイスは聞いて‼
こちらは医学的エビデンスや今までの介護経験からアドバイスや相談をしているのだから、耳を傾けて‼
…という話。
③まとめ
心身共に余裕が無いとアドバイスなんて実行に移せないし、実行する余裕なんてありません。
そして今までの介護が現在の本人を作っているのだから、自分達の介護方法が正しいと思う気持ちも分かります。
だからアドバイスしてもらっても実行出来ないorしないというのは分かります。
だからと言ってアドバイスをする、つまり介護者と対話をするという事は止めません。
そこで止めてしまったら本当に介護者が自分の思いを吐露出来る相手がいなくなってしまうからです。
初めは聞いてくれなくたって良いんです。
介護者が思っている事を話してくれるだけで良いんです。
意味の無いやり取りかも知れませんが、そういう対話が信頼感を構築していきます。
相手の気持ちを尊重しながらも、今持てる全ての知識を使って本人・介護者にとってベストに近いアドバイスを提出来るようになります。
介護者も徐々に提案を聞いて下さり、時間は掛かりますが少しずつ生活が改善していきます。
でも、初めから聞いてくれていればこんな形にならなかったのでは?と思う事も多々あります。
だから…ね⁉
アドバイスは聞きましょう。
では、また‼
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