【認知症】認知症ケア【後期編】

認知症

認知症ケアシリーズ第3弾として「後期編」を解説していきます。

「初期編」では今出来ている生活を維持する事を中心にケアをする事の大事さを解説しました。

「中期編」では分かる事や出来る事が、段々と困難になって混乱しやすい状態となり、心のケアの大事さを解説しました。

今回は「後期編」という事で、解説していきたいと思います。

①認知症後期ってどんな状態?

介護度が全てを表している訳ではありませんが、認知症後期は「要介護4~5」だと思います。

認知症で要介護4~5が付く人は、私の経験則だと以下の2パターンになると思います。

①生活するのに全介助が必要
②BPSDが酷く、介護者の負担が大きい

【①生活するのに全介助が必要】

失行が進んでしまい、一人では生活するのが困難な状態になっている人です。

食事の方法が失われてしまったり、歩く事を失ってしまう事があります。

そうなるとどんどん体力も衰えます。

筋力不足で寝たきりになったり、病気になりやすくなったりします。

「初期」、「中期」までは精神的ケアが必要だったのに対し、「後期」では身体的ケアが大部分を占めてくると思います。

【②BPSDが酷く、介護者の負担が大きい】

失行が進んでなくても、介護度が重く付く事があります。

それはBPSDが酷く、介助をするのに負担が大きいからです。

介護度は介助者が「どれだけ負担を感じているか」によって付けられます。

徘徊や暴力等BPSDが酷い場合には、介護度が大きく付く事があります。

②どうケアすることが大事なの?

認知症ケアの後期は「ADLの維持」というのがベースになると思います。

そこに介護者が何かしらの意味を持てるか持てないかで当事者の生活が変わるかなと思います。

認知症の人がどういう状態なのか、又は介護者もどういう状態なのかによって選択肢は変わってくると思います。

例えば、全介助が必要な当事者がいます。

ご家族であるパートナーが、介助出来る所まで一緒に生活したいと思っているとします。

でもその人はまだ働かないと生活が出来ません。

そうなるとかなりの確率で「施設入所」が見えてくるのではないでしょうか。

勿論上記の様な例の方でも在宅で過ごせる様に介護サービス等は充実していると思います。

全介助の人は誰かが一緒に生活していないと危険です。

また、身体介護は介護者の体力を使います。

「初期」、「中期」では精神的な疲れが主な要素でしたが、「後期」では身体的な疲れが主になってきます。

その為「そろそろ入所かも」と考える介護者が多いのもこの時期です。

BPSDが酷い人に関しては、服薬量を増やしても効果が薄かったり副作用で立ち上がれなくなったりします。

あまりにもBPSDが酷く、介護者が生活出来ない様なレベルであれば、私は入院による薬剤調整をお勧めします。

ですが服薬による副作用の影響でそのまま施設に移行する事もあり、在宅で生活出来なくなる可能性が高いです。

③まとめ

認知症後期はBPSDが酷かったり、全介助を必要とする方が主になると思います。

ケアとしては「ADLの維持」があります。

他にも当事者や介護者の状況によって、生活環境が変わる必要性も出てくるかも知れません。

多くの人が施設入所を希望しておらず、在宅での生活を望んでいます。

それは認知症当事者だって同じだと思います。

しかしいくら本人が強く望んでいたとしても、在宅で過ごす事が生命の危機に見舞われるようであれば問題です。

介護者一人では出来る事にも限界があります。

介護はチームワークです。

関わる全ての人で当事者が安心して過ごせる様にしていきたいですね。

コメント頂けると嬉しいです。

ではまた‼

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