今回は認知症の人に対する介護方法は、人それぞれだという話をしたいと思います。
ベッドや車椅子からの移乗や、排泄の対応、食事介助等、マニュアル通りに行えば当事者と自分達の体への負担を減らす動きはあります。
でも今回の記事で伝えたい事はそういう部分ではありません。
認知症には様々な種類がある事に触れてきました。
初期の頃は身体介護よりも精神的な介護や支援を必要とされる部分が大きいです。
同じADでもその人が経験してきた人生によって支援・対応方法は全く変わってきます。
優しくするだけが本人の為とは限りません。
いくつかの例を交えながら、「こういう対応をしても良いんだ」と参考にしてくれたらと嬉しいです。
①叱ってみる
BPSDが酷く社会的に逸脱した行為が見られたので、怒ってみた事があります。
怒られる事によって意識が怒られた事に集中したのか、BPSDが落ち着いた方がいらっしゃいました。
一度だけでなく、何度も落ち着く様子が見られた為再現性のある行為だったと思います。
但し全員に効果があるかと言ったらそうではありません。
ある人に対して効果があったので、別の方に試してみたら火に油を注いだだけでした。
私はこう考えました。
②𠮟られた事で社会性を発揮し、意識がクリアになる
「お客さんを叱るなんて何事だ‼」と思われた方もいるかと思います。
当然だと思います。
しかし社会的に逸脱した行為を叱るのは、当たり前の事だと思いませんか。
効果がありそうな事は失敗しても良いから、何でも試すのです。
②無視してみる
自分の世界にどっぷり浸かっている当事者がいます。
その人は自分の世界の中で生きているので、会話も成立しません。
幻覚に対しては「幻覚を否定しない」というのが基本的な関わり方になります。
しかし中にはその人の世界を肯定する事でどんどんネガティブな方向に思考が発展してしまう事もあります。
その時には話すだけ話させて無視します。
私は何も反応しません。
そうすると人によっては「何かおかしな事言ってるのかな。」と思って一時的にでも現実感が戻る時もあります。
これも人によってですが、無視すると「何無視してんの‼」と怒るケースに発展する事もあります。
普段無視する事は虐待の一つとして取られる事がありますが、この様に効果がある時もあります。
③現実を伝えてみる
認知症の方には否定をしないという対応方法があります。
否定をされる事で自信を無くし、ストレスが溜まり進行を早めると言われてるからです。
勿論そういう対応が必要な方もいますが、全員が全員ではないです。
軽度の方などはむしろ現実を伝えてみる方が効果的だったりします。
「自分が認知症である」と病識を持っている方は、現実を知る事で前向きな意欲を持ってくれる事があります。
ストレスを与えない事は大事ですが、普通に生きる人間として当然あるストレスがあるのは大事な事です。
ストレスがある事で社会を体感出来る事もあるのです。
④まとめ
今回は認知症の人に対する変わった介護方法を紹介しました。
どれも教科書的には否定される行為ばかりだと思います。
しかし私は方法はどうであれ、僅かな時間でも「その人がその人らしく過ごせる時間」が増えれば良いなと思っています。
試行錯誤した結果、叱ってみたり、無視したりしてみました。
叱るのが有効な当事者がいて、どのスタッフでも叱ると効果があるのかと言ったらそうではありません。
今までのその方との親密度だったり距離感だったりが大事になります。
ですので、画一した方法などは無く、「その人に合った、自分なりの支援方法」を探していくしかないいですね。
何がその人に取って良いかは試してみるまで分かりません。
「認知症という病気ではありますが、一人の人間として一緒に社会で生活する」というのが自分の支援方法の根本の一つです。
勇気をもって色々試してみましょう‼
コメント頂けると嬉しいです。
ではまた‼
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